遺骨ダイヤモンドは怪しい?本物?疑いたくなる5つの疑問

「お母さんの遺骨をダイヤモンドにしたいんだ」

夕飯後、湯気の立つほうじ茶を飲みながら私がそう言うと、

夫は茶碗を持ったまま固まった。

「え?そんな怪しいものにお金かけるの?

ほんとにダイヤモンドになるの?」

怪しいもの扱いされた瞬間、私は心の中で正座した。

いや、正座したのは心だけで、体はソファに沈んだままだ。

「怪しくないよ。ちゃんとした技術で作るんだよ」

「でも人工なんだろ?偽物じゃないのか?」

夫の理系男子スイッチが入ったらしい。

こうなると説明しないと前に進まない。

1.遺骨ダイヤモンドは本物なのか?

「人工って言ってもね、天然と同じ成分・硬さ・輝きなんだよ。

鑑定士でも見分けがつかないくらい」

「え、そんなに?」

夫の眉がピクリと動いた。

理系男子、興味を持ち始める。

「遺骨に残った炭素を取り出して、数週間かけて育てるの。

お母さんの個性もちゃんと宿るんだよ」

「個性?」

夫の表情が少し柔らかくなった。

個性という言葉に弱いのは、結婚してから知った。

2.遺骨に炭素はあるのか?

「でもさ、遺骨ってカルシウムじゃないの?」

「そう、主成分はリン酸カルシウム。でもね、

火葬しても1%くらい炭素が残るの。

1kgの遺骨から10gくらい」

「へぇ、そんなに少ないのか」

「だからラボの人たちが宝物みたいに丁寧に取り出すんだよ」

夫はなぜか胸ポケットを押さえた。

宝物という言葉に弱いのも知っている。

3.ダイヤモンドにするための遺骨が足りない

「もし遺骨が足りなかったら?」

「そのときは思い出の品から炭素を取れるよ。

メガネ、帽子、服、日記、写真

ペットなら毛布やタオル、

最悪は私の髪の毛でも作れるんだって」

「髪の毛!?」

夫が一歩下がった。

なぜ下がる。

「いや、そんなホラーみたいな」

「ホラーじゃないよ。愛だよ」

「愛」

夫は再び前に戻ってきた。

単純で助かる。

4.遺骨ダイヤモンドのカラーが偽物っぽい

「色も選べるんだよ。

オレンジは窒素、青はホウ素、赤は結晶の欠け」

「科学だなぁ」

「そう、科学と愛の結晶なの」

夫は少し照れたように笑った。

愛の結晶という言葉に弱いのも知っている。

5.遺骨ダイヤモンドが出来上がるまでの時間が長い

遺骨ダイヤモンドができるまで数ヶ月。

その間、手元に遺骨がなくて寂しくなることもある。

でも私は思う。

待つ時間こそ、心が整う時間だと。

「お母さん、今ごろラボで頑張ってるかな」

そんな風に思うだけで、少し心が温かくなる。

そして完成したダイヤモンドが届いたら、

まずは光にかざして、いろんな角度から眺めてみる。

きっと、

おかえり

と言いたくなる。

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