夫が遺骨ダイヤモンドに反対…どうしたらいい?

亡くなったお母様をいつも身近に感じていたい。そう思って「遺骨ダイヤモンド」を夫に相談したら、「そんな怪しいものにお金をかけるなんて」「本当にダイヤモンドになるの?」と反対されて、話が止まってしまった…。

そんな風に、大切な人を亡くした悲しみに寄り添う気持ちを夫に理解してもらえず、ひとりで悩んでいませんか?

今回は、遺骨ダイヤモンドを巡る様々な疑問や不安を解消し、あなたが感じている悲しみや喪失感を少しでも和らげるためのヒントをお話ししたいと思います。


遺骨ダイヤモンド、本当に「本物」?

遺骨ダイヤモンドは、遺骨に残るごくわずかな炭素を取り出して、人工的に作られるダイヤモンドです。

「人工」と聞くと、偽物なのでは?と思うかもしれません。でも、ご安心ください。遺骨ダイヤモンドは、天然のダイヤモンドと硬さ、輝き、そして成分が全く同じです。ダイヤモンド鑑定士でも、天然か人工かの見分けはつかないほどです。

もちろん、そこにはあなたの愛する人の個性も宿っています。

遺骨に炭素は含まれているの?

「遺骨ってカルシウムじゃないの?」そう思いますよね。その通り、遺骨の主成分はリン酸カルシウムです。火葬の際に、体内の炭素のほとんどは二酸化炭素として燃え尽きてしまいます。

でも、ごくわずかですが、遺骨の中に約1%の炭素が残っているんです。1kgの遺骨から、わずか10g。そのほんの少ししかない炭素を、ダイヤモンドのラボでは、まるで宝物のように丁寧に抽出して、時間をかけて(数週間)、ダイヤモンドの素材にしていきます。

遺骨が足りない場合はどうする?

「もし遺骨が足りなかったら?」そんな不安も湧いてきますよね。その場合は、思い出の品から炭素を取り出すこともできます。

  • メガネ、帽子

  • 服、布団

  • 日記、写真

故人の形見や愛用品なら、どんなものでも大丈夫です。また、ペットの場合でも同じように、毛布やタオル、そして飼い主であるあなたの髪の毛からもダイヤモンドを作ることができます。

亡くなった直後で悲しみに暮れているときに、こうしたものを準備するのは本当に辛い作業です。でも、もしものときは「自分の髪の毛を足せる」ということを知っておくだけで、少し気持ちが楽になるのではないでしょうか。

遺骨ダイヤモンドの「個性」

遺骨ダイヤモンドは、色を選ぶことができます。実は、これはダイヤモンドを作る過程で、炭素以外の微量な不純物をわざと残すことで発色させているんです。

  • オレンジ:窒素

  • 青色:ホウ素

  • 赤色:窒素による結晶構造の一部欠落

天然のダイヤモンドは、長い年月をかけて不純物が少しずつ抜けていきますが、遺骨ダイヤモンドは数ヶ月という短い期間で作られるため、このような不純物が結晶中に残りやすいのです。だからこそ、一つとして同じ色や濃さのダイヤモンドはできません。それが、世界に一つだけの「個性」となり、輝きに特別な意味を与えてくれるのです。


出来上がったダイヤモンドに話しかけて

遺骨ダイヤモンドの申し込みから完成までは、数ヶ月かかります。手元に遺骨が何もない間、寂しさと不安に襲われることもあるかもしれません。でも、私はこの「待つ時間」こそが、遺骨ダイヤモンドの持つ良さだと思います。

出来上がりを待つ間、「もうすぐダイヤモンドになって帰ってくる」という希望が、あなたの心を静かに癒してくれるはずです。

そして、ついにダイヤモンドが手元に届いたら。

まずはその特別な輝きを、いろんな角度から眺めてみてください。きっと、亡くなった方やペットと「対話」しているような、そんな温かい気持ちになれるはずです。

そして、その時の気持ちを、ぜひ窓口の担当者の方に送ってみてほしいのです。あなたの悲しみに寄り添ってくれたスタッフに感謝を伝えることで、あなたの気持ちも少しずつ整理されていくでしょう。

ホームページに掲載してもらえることもあります。あなたの体験談が、同じように悩んでいる誰かの心を救うきっかけになるかもしれません。

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