ラボからのメールはまるでお母さんからの手紙だった
遺骨ダイヤモンドを申し込んだ日の夜。
私はふと、骨壺の前でつぶやいた。
「お母さん、今から旅に出るんだね」
夫は横で腕を組みながら言った。
「海外に送るんだろ?ちゃんと届くのか?」
夫の心配性スイッチがまた入った。
このスイッチ、どこにあるのか本当に知りたい。
私は笑って言った。
「大丈夫だよ。ラボからメールが来るから」
夫は眉をひそめた。
「メール?」
ラボから届くメールは、ただの進捗報告じゃない
数日後、最初のメールが届いた。
──Tracking number registered.
英語のメールを日本の窓口が翻訳して送ってくれる。
それを読んだ瞬間、胸がじんわり温かくなった。
「お母さん、ちゃんと旅立ったんだ」
夫は画面を覗き込みながら言った。
「なんか本当に見守られてるみたいだな」
そう。
ラボから届くメールは、ただの事務連絡じゃない。
まるで故人が
「大丈夫だよ、ちゃんと進んでるよ」
と語りかけてくれているような、優しい便りなのだ。
ラボは工場ではなく心を扱う研究所
「ラボってどんなところなんだ?」
夫の理系男子スイッチが入った。
「スイスとかアメリカとかフィンランドにあるんだよ。
大量生産じゃなくて、一つひとつ丁寧に育てる場所なの」
「育てる?」
「そう。
遺骨から炭素を取り出して、
高温高圧で少しずつダイヤモンドにしていくの」
夫は目を丸くした。
「なんか、命が宿るみたいだな」
「そうなの。
だから工場じゃなくてラボって呼ぶんだよ」
ダイヤモンドができるまでの旅
ラボから届くメールは、こんな順番で届く。
- トラッキング番号登録
- 海外へ出発
- ラボ到着
- 素材の分析
- コアの作成
- 結晶の育成
- 結晶の完成
- カッティング・研磨
- 日本へ出発
夫はメールを見るたびに言った。
「今どこまで行ったんだ?」
まるで旅行中の家族を追いかけるみたいに。
私はそのたびに思った。
(お母さん、今も私たちのそばにいるんだな)
メールが届くたびに、心が少しずつ癒えていく
結晶が育っているというメールが届いた日。
私は思わず涙がこぼれた。
「お母さん、頑張ってるんだ」
夫はそっと肩に手を置いた。
「お前も頑張ってるよ」
ラボからのメールは、
故人の旅の記録であり、
残された家族の心を支える手紙でもある。
信頼できる窓口を選ぶことが、旅の安心につながる
「窓口って大事なんだな」
夫がぽつりと言った。
「うん。
資料請求して、
対応が丁寧で、
日本語が自然で、
親身になってくれるところを選ぶのが一番だよ」
「お母さんの旅を任せるんだもんな」
夫のその言葉に、私は胸が温かくなった。



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