海外で作るなんて大丈夫なの?と夫が言った夜

「お母さんの遺骨、ダイヤモンドにしたいんだ」

夕飯後、湯気の立つお茶を飲みながら私がそう言うと、

夫はテレビのリモコンを握ったまま固まった。

「海外で作るんだろ?本当に大丈夫なのか?」

夫の慎重すぎるスイッチがまた入った。

このスイッチ、どこにあるのか本当に知りたい。

私は深呼吸して、ゆっくり言った。

「大丈夫だよ。海外だからこそ、なんだよ」

夫は眉をひそめた。

「どういうことだ?」

なぜ日本では作れないのか?

「遺骨ダイヤモンドを作るラボってね、

スイスとかアメリカとかフィンランドとか、

世界でも限られた場所にしかないの」

「日本にはないのか?」

「技術はあるんだけどね、

遺骨を扱うことに法律や地域の理解が必要で、

ラボを作るのが難しいみたいなんだよ」

夫は腕を組んだ。

「なるほど日本の事情ってやつか」

ラボは工場じゃなくて心を扱う場所

「海外のラボってね、ただの工場じゃないの」

「ほう?」

「遺骨の取り違えが絶対に起きないように、

厳重な管理体制が敷かれてるの。

まさに心を扱う場所なんだよ」

夫は少し驚いた顔をした。

「そんなに丁寧に扱ってくれるのか」

「うん。

だから海外でも安心して任せられるんだよ」

半年以上かかる待つ時間が心を癒す

「でもさ、半年以上かかるんだろ?

そんなに待つのは不安だな」

夫のせっかちスイッチが入った。

「でもね、その待つ時間が大事なんだよ」

私は少し笑って言った。

「ラボから英語で経過報告が届いて、

日本の窓口が日本語にして送ってくれるの。

今ここまで進みましたよって」

夫は目を丸くした。

「そんな報告まであるのか」

「そうなの。

遠い国でお母さんの遺骨が大切に扱われてるって思うだけで、

すごく安心できるんだよ」

夫は静かにうなずいた。

信頼できる窓口を見つけることが一番大事

「海外ラボが不安なら、

日本の窓口をしっかり選べば大丈夫だよ」

「窓口か」

「資料請求してみて、

対応が丁寧かどうか、

親身かどうか、

日本語が自然かどうか

そこを見れば分かるよ」

夫は少し笑った。

「お前、もうプロだな」

「終活ガイドだからね」

夫に伝えたいこと

私は夫に向かって、ゆっくり言った。

「海外だから不安なんじゃなくて、

海外だからこそ安心できる部分もあるんだよ」

夫はしばらく黙っていたが、

やがて小さくうなずいた。

「お母さんのこと、大切にしてくれるなら、それでいいな」

その言葉に、私は胸がじんわり温かくなった。

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