中国製だと聞いたぞと夫が言った日のこと

「遺骨ダイヤモンドって中国製なんだろ?

安物じゃないのか?」

夫がそう言った瞬間、私は思わず固まった。

(出た夫の先入観スイッチ。

しかも今日は強めに入ってる)

私は深呼吸して、ゆっくり言った。

「ねぇ、それは大きな誤解なんだよ」

夫は眉をひそめた。

「でも中国製って聞くとなんか不安だろ」

(はいはい、分かりますよその気持ち)

遺骨ダイヤモンドは安物ではなくもうひとつの本物

「まずね、遺骨ダイヤモンドは天然ダイヤと同じ本物のダイヤモンドなんだよ」

夫は驚いた顔をした。

「同じ?」

「そう。成分も硬さも輝きも同じ。

違うのはお母さんの炭素が入っているという特別な価値だけ」

夫は少し黙った。

中国は世界の合成ダイヤモンド最先端

「それにね、中国は今や世界の合成ダイヤモンドの9割を作ってるの」

夫は目を丸くした。

「9割?」

「そう。技術が高いから大量生産できて、結果的に安くなるだけ。

品質が悪いから安いんじゃないんだよ」

夫は腕を組んだ。

「それは知らなかったな」

価値は値段じゃなく意味で決まる

「ダイヤの価値を値段で見てるかもしれないけどね」

私は優しく言った。

「遺骨ダイヤモンドのラボはスイスやアメリカ、フィンランドにあるのよ。

中国に遺骨ダイヤモンドのラボかあるなんて

聞いたことないわ」

「ラボって、あれか、工場のことだろ?」

「天然ダイヤは高い。

合成ダイヤは安い。

だから価値がないって思ってるでしょ?」

夫は気まずそうに目をそらした。

「まあ、ちょっとは」

「でもね、遺骨ダイヤモンドはお金じゃないんだよ」

思い出の価値はプライスレス

「天然ダイヤは転売すればお金になるかもしれない。

でも遺骨ダイヤモンドはお母さんそのものなんだよ」

夫は静かにうなずいた。

「確かに、売るものじゃないな」

「そう。

世界にひとつだけの思い出の宝石なんだよ」

夫へ──中国製かどうかではなく誰のためのダイヤか

私は夫に向かって、静かに言った。

「遺骨ダイヤモンドは安物じゃないよ。

天然と同じ本物のダイヤモンド。

そして何より、お母さんとの思い出が詰まってる」

夫はしばらく黙っていたが、

やがて小さくつぶやいた。

「お前がそう思ってるなら、俺も大事にしたいな」

その言葉に、私は胸がじんわり温かくなった。

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